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[No.5] KAWASAKI ZX-25R(SE) 2021-2022 ★吸気パーツ検証 Vol.1 [エアーダクト編]★

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吸気パーツ検証(インテーク・エアーダクト)

 一般受付開始と同時に多くのお問い合わせを頂いている「Kawasaki ZX-25Rシリーズ」ですが、今回は特別企画として、皆様が気になる吸気パーツ」を検証していきます♪

 今回の企画では「吸気パーツ」のうち、「インテーク・エアーダクト」を見ていきます。

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 ※左から「トリックスター製パワーインテークダクト」「インドネシア仕様」「国内仕様

 検証車両は、弊社所有の「KAWASAKI ZX-25R(SE) 2022年モデル(ドノーマル ※走行距離1,000km + α)」です。部品交換を容易にするためにカウル類は殆ど撤去しました。

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 ※フルノーマル状態

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 ※カウル類撤去後

 エアクリーナー・ボックス内の部品(エアーファンネル、エアフィルター)は純正(国内仕様)で検証します。もちろん、マフラーも国内仕様の純正品です。
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 まずは目視でダクトを見ていきましょう。
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 ※左から「トリックスター製パワーインテークダクト」「インドネシア仕様」「国内仕様
 ※「国内仕様」(右)は吸気騒音軽減のためのレゾネーターが装着されています

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 ※左から「トリックスター製パワーインテークダクト」「インドネシア仕様」「国内仕様
 ※吸入口の面積は「トリックスター製パワーインテークダクト」(左)が一番大きいように見えます

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 ※左から「トリックスター製パワーインテークダクト」「インドネシア仕様」「国内仕様
 ※「トリックスター製パワーインテークダクト」(左)は真ん中あたりが太くなっています

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 ※左から「国内仕様」「インドネシア仕様」「トリックスター製パワーインテークダクト
 ※「国内仕様」(左)はエアクリーナーボックス接合部が細くなっています

 これだけ見ると、パフォーマンス面では「国内仕様」<「インドネシア仕様」<「トリックスター製パワーインテークダクト」と予想したくなりますが、果たして結果は?

 各部品の性能を確認するため、弊社ECUチューニングならびにシャーシダイナモを利用して、スロットル開度25%、50%、100%の後輪出力空燃比を測定し、検証結果を比較します

 なるべく正確な比較検証が行えるよう、検証中はインテーク・エアーダクトの部品交換のみを行い、ECUに関しては事前に準備したチューニング内容(フルパワー化など)を除き、途中変更は一切行いません。

 ECUに関して、シャーシダイナモ上での空燃比の測定では各種フィードバック制御等は無効とし、正確な測定を可能とします。また、スロットル・バイ・ワイヤの調整により、スロットル開度25%、50%、100%(制限解除)の開度が確実に再現できるよう工夫を施します。
 ※「燃料マップ」に関しては一切変更を行わず、「純正(国内仕様)」の燃料噴射量が維持されています

 条件を揃えるためにすべての検証を3時間以内に実施し、なるべく室温湿度気圧水温などが変わらないよう配慮します。

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 ※国内仕様

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 ※インドネシア仕様

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 ※トリックスター製パワーインテークダクト

検証結果

①スロットル開度:100%  [No.5] KAWASAKI ZX-25R(SE) 2021-2022 ★吸気パーツ検証 Vol.1 [エアーダクト編]★

< 結 果 >

 [ 後 輪 馬 力]
  黄線: トリックスター製パワーインテークダクト42.3 [HP]
  橙線: インドネシア仕様41.9 [HP]
  赤線: 国内仕様41.1 [HP]
 
 [ ト ル ク ]
  青線: トリックスター製パワーインテークダクト
  紫線: インドネシア仕様
  灰線: 国内仕様
 ※暖機運転終了後、同一条件(水温・気温・湿度・気圧など)下で比較を行いました

 予想通り、「トリックスター製パワーインテークダクト」が殆どの回転域で「インドネシア仕様」「国内仕様」を上回っていました。

 特に低中回転の領域においても「国内仕様」を大きく上回り、低い回転から性能が発揮されていることが良くわかります。

 「インドネシア仕様」は僅差で2番手となりましたが、高回転域は「トリックスター製パワーインテークダクト」に近い出力を発揮しています。しかし、低中回転域は「国内仕様」とあまり変わらず、一部領域ではむしろ下がっている箇所もありました。

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 続きまして、空燃比です。
 縦軸が「空燃比」で横軸が「エンジン回転数(RPM)」を示します。
 エンジン・パフォーマンスだけを考えた場合、「基準線13.0」より上側が「薄い(Lean)」、下側が「濃い(Rich)」の傾向を意味します。一般に空燃比が13.0に近いほど高出力が見込まれます。

 スロットル開度100%の計測では、どのダクトも全体的に濃い傾向(基準線より下側)となりました。特に「国内仕様」では16,000rpm12.34かなり濃い数値となっておりますので、多く燃料を噴射している割に回転上昇が重くパフォーマンスが発揮できていない可能性があります。

 「トリックスター製パワーインテークダクト」「インドネシア仕様」は「国内仕様」よりも「薄い(Lean)」方向に推移していることから、吸入空気量が増えている(≒吸気効率が上がっている)と推測できます。ただし、薄すぎて心配...といった懸念はなく、むしろ所々少し燃料を絞って丁度よいくらいと思います。

 どのダクトも「燃料マップ調整(現車セッティング)」によって空燃比を合わせることで、100%開度ではもう少し燃料消費効率の向上がみられるかもしれません。

②スロットル開度:50%  [No.5] KAWASAKI ZX-25R(SE) 2021-2022 ★吸気パーツ検証 Vol.1 [エアーダクト編]★

< 結 果 >

 [ 後 輪 馬 力]
  黄線: トリックスター製パワーインテークダクト35.2 [HP]
  橙線: インドネシア仕様35.5 [HP]
  赤線: 国内仕様34.8 [HP]
 
 [ ト ル ク ]
  青線: トリックスター製パワーインテークダクト
  紫線: インドネシア仕様
  灰線: 国内仕様
 ※暖機運転終了後、同一条件(水温・気温・湿度・気圧など)下で比較を行いました

 スロットル開度50%の比較を行った場合、僅差ですが「インドネシア仕様」が全域で出力が高いように見えます。ただし、「トリックスター製パワーインテークダクト」のほうが中回転のトルク曲線がフラットなので、扱いやすそうですね。

 スロットル開度100%では分が悪かった「国内仕様」ですが、開度50%の比較でもまだ持ち味を活かすことが出来ていないように見えますね。入口と出口が絞られている分、低負荷時に強そうなので、開度25%の結果を期待しましょう!!

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 続きまして、空燃比です。
 縦軸が「空燃比」で横軸が「エンジン回転数(RPM)」を示します。
 エンジン・パフォーマンスだけを考えた場合、「基準線13.0」より上側が「薄い(Lean)」、下側が「濃い(Rich)」の傾向を意味します。一般に空燃比が13.0に近いほど高出力が見込まれます。

 スロットル開度50%の計測では、どのダクトも全体的に薄い傾向(基準線より上側)となりました。空燃比のチャートは似たような形となっていますが、ここでも「トリックスター製パワーインテークダクト」「インドネシア仕様」は「国内仕様」よりも「薄い(Lean)」方向に推移しているようです。

 一番薄くなっているところは14.64とほぼ完全燃焼が期待できる理論空燃比(ストイキ)ですので、開度50%は100%とは異なり、純正の燃料マップはパフォーマンスよりも環境に考慮したセッティングとなっていることが分かります。

 どのダクトも「燃料マップ調整(現車セッティング)」によって空燃比を合わせることで、開度50%ではトルク向上が見込めそうですね。

③スロットル開度:25%  [No.5] KAWASAKI ZX-25R(SE) 2021-2022 ★吸気パーツ検証 Vol.1 [エアーダクト編]★

< 結 果 >

 [ 後 輪 馬 力]
  黄線: トリックスター製パワーインテークダクト16.6 [HP]
  橙線: インドネシア仕様16.5 [HP]
  赤線: 国内仕様16.2 [HP]
 
 [ ト ル ク ]
  青線: トリックスター製パワーインテークダクト
  紫線: インドネシア仕様
  灰線: 国内仕様
 ※暖機運転終了後、同一条件(水温・気温・湿度・気圧など)下で比較を行いました

 スロットル開度25%の比較を行った場合、これも僅差ですが「トリックスター製パワーインテークダクト」が全域で出力が高いように見えます。「インドネシア仕様」とほぼ互角ですね。

 「国内仕様」は途中のトルク・出力が大きく落ち込んでいる谷のところで他を上回っていますが、それ以外は、開度100%、50%と同じように下回っていました。恐らく、極低回転(発進など)で持ち味を出せるのか...そこまでは測定できないので、ここではそういうことにしておきましょう。

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 続きまして、空燃比です。
 縦軸が「空燃比」で横軸が「エンジン回転数(RPM)」を示します。
 エンジン・パフォーマンスだけを考えた場合、「基準線13.0」より上側が「薄い(Lean)」、下側が「濃い(Rich)」の傾向を意味します。一般に空燃比が13.0に近いほど高出力が見込まれます。

 スロットル開度25%の計測では、開度50%と同じように、どのダクトも全体的に薄い傾向(基準線より上側)となりました。空燃比のチャートは似たような形となっていますが、ここでも「トリックスター製パワーインテークダクト」「インドネシア仕様」は「国内仕様」よりも「薄い(Lean)」方向に推移しているようです。

 開度25%でも、一番薄くなっているところは14.64とほぼ完全燃焼が期待できる理論空燃比(ストイキ)ですので、開度100%とは異なり、パフォーマンスよりも環境に考慮したセッティングとなっていることが分かります。

 どのダクトも「燃料マップ調整(現車セッティング)」によって空燃比を合わせることで、開度25%ではトルク向上が見込めそうですね。

まとめ [No.8] KAWASAKI ZX-25R(SE) 2021-2022 国内仕様 ★ECUチューニング開発★
 上記「検証結果①~③」を見ると、総合的に「トリックスター製パワーインテークダクト」が他を上回っていると判断できます。

[No.8] KAWASAKI ZX-25R(SE) 2021-2022 国内仕様 ★ECUチューニング開発★

 従って、「トリックスター製パワーインテークダクト」に変更することで、他の吸排気部品がフルノーマルであっても、全域でトルクが増える空燃比も薄い方向に推移する)傾向があると考えて良さそうです。

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 もちろん、こうした吸排気部品は他の部品の影響を互いに受け合う性質があるため、さらにダクトの性能を引き出せるような「エアーファンネル」や「エアフィルター」、「マフラー」の組み合わせがあるかもしれません。

 また、ご覧いただいたように、パフォーマンス重視で考えた場合、空燃比が基準値から上振れ・下振れしている領域がいくつもありましたので、「燃料マップ調整(MotoJPオリジナルマップ / 現車セッティング)」によって、さらに良くなる可能性も見えています。

 次回は「エアーファンネル ※全日本選手権トップチームが開発中のスペシャル・ファンネルも登場します」「エアフィルター」などを数種類ずつ用意し、同じように比較検証を行っていきたいと思いますので、次回もご覧いただけますと幸いです。
 ※しばらくは「トリックスター製パワーインテークダクト」を固定で検証を進めていきたいと考えております。

 MotoJPはデモ車両を利用して様々なバリエーションで吸排気部品の検証や「燃料マップ調整(MotoJPオリジナルマップ)」の製作を計画しております。
 ただし、マフラー検証はコストが非常に高いため、お客様からの「燃料マップ調整(現車セッティング)」によるご依頼を交えながら、バリエーションが拡充されていくものと思います。
 データが揃うまではご不便をお掛けすることがあるかもしれませんが、何卒ご容赦いただけますと幸いです。

 最後までご覧いただきありがとうございました♪
 「KAWASAKI ZX-25R(SE) 2021-2022」のご相談はMotoJPまでお気軽にお問い合わせください♪

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